D・ブリーズ 引退セレクトマッチ

D・ブリーズ 引退セレクトマッチ
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D・ブリーズ 引退セレクトマッチ NFL on 日テレジータス

ニューオリンズ・セインツQB、ドリュー・クリストファー・ブリーズ。1979年1月15日生。 プロボウル選出13回、スーパーボウル制覇1回。NFL選手として20年の輝かしいキャリアが終幕。ブリーズはその類まれなる才能と記録だけでなく、しばしばニューオリンズの復興の象徴として称えられています。

ブリーズは2001年のドラフトでチャージャーズに入団するも2005年、フィリップ・リバースの台頭でフリーエージェントに。どのチームからも声のかからないブリーズでしたが、その年ニューオリンズにHCとして就任したショーン・ペイトンが救いの手を差し伸べ、ニューオリンズセインツに入団。ハリケーン・カトリーナでニューオリンズの街が壊滅的被害を受けた翌年のことでした。

セインツは当時AINTS(およびでない)といわれるほどの弱小チーム。カトリーナの被災により、本拠地のスーパードームは避難場所となっており、屋根も壊れ、とても試合を開催できるような状態ではありませんでした。本拠地でプレーできなかったセインツは2005年シーズンを3勝13敗の成績で終えています。

2006年シーズン。本拠地のスーパードームに戻ってきたこの年、ペイトンHCとQBブリーズで船出したセインツの開幕戦には7万を超えるファンが詰めかけ、セインツに大歓声を送りました。ファンの大声援に後押しされて開幕戦を勝利すると、その勢いで地区優勝を果たします。前年度3勝のチームが翌年地区優勝を飾ったのは当時NFL史上初めての快挙でした。

そして、2010年。第44回スーパーボウルでは下馬評を覆し、コルツを下してセインツは球団初の栄冠を勝ち取ります。その中心で活躍しMVPとなったのは、ドリュー・ブリーズ、その人でした。優勝を祝福する紙吹雪の中、奥さんと1歳になった息子の3人でロンバルディートロフィーを掲げる姿に多くのファンが涙しました。

ニューオリンズがハリケーンの被害から大きく復興した現在でもブリーズは変わらず地域貢献を続けています。昨年はCOVID-19に対する地域支援を申し出たブリーズに地元TV局のインタビュアーは放送中にもかかわらず涙したほど。彼がニューオリンズの英雄として、人格者としてNFLで尊敬され市民に愛される理由がここにあります。ブリーズが築き上げた記録はパス成功率のNFL記録、生涯パス獲得距離の歴代トップ。記録をホームで達成した時にブリーズを祝福したのはスーパーボウル制覇時には1歳だった長男とさらに2人の息子と奥さんと娘。家族も増え、キャリアは18年目を迎えていました。キャリア終盤の2017年からは前人未到のNFC南地区4連覇を達成。しかし、スーパーボウルには届かず。2017年のディビジョナルプレーオフでは試合終了間際にバイキングスに61ヤードの逆転TDパスを許して敗退。翌年は相手側のパスインターフェアを見逃され、敗退。2019年は延長戦の末にバイキングズに屈し、2020年シーズンは怪我に悩まされながら、不屈の闘志で出場したもののブレイディ率いるバッカニアーズに敗れました。これがブリーズにとってラストマッチとなりました。試合後、ファンに、そして感慨深げにフィールドを見つめる彼の姿にキャリアの終焉を感じ取ったファンも多いことでしょう。

この写真は試合後、重圧から解放されたブリーズがライバルでもあり戦友でもあるブレイディと語らっている姿です。ブレイディはこの後、前人未到の7つ目のスーパーボウルリングを手にします。奇しくもブリーズがフリーエージェントとなるきっかけとなりチャージャーズの正QBを長年務めたフィリップ・リバースも2020年で引退。これも縁なのでしょうか。

日テレジータスでは惜しまれつつそのキャリアを終えたブリーズ出場試合の中から第44回スーパーボウル、そして、同じくレジェンドQBと呼ばれるパッカーズのアーロン・ロジャースとの一戦、そしてラストマッチとなったトム・ブレイディとのディビジョナル・プレーオフの一戦をお送りします。

最後に、自身のSNSで引退を宣言したブリーズのメッセージを。

NFL選手として20年、聖者(セインツ)として15年、私はフットボールの世界から引退することになりました。私は毎日、皆さんのクォーターバックであることに心血を注いできました。ボロボロになって倒れる最後の瞬間まで、セインツとニューオリンズのために、自分の持てる力をすべて出し切りました。私たちはともに素晴らしい瞬間を共有し、その多くは私たちの心に刻まれ、永遠に私たちの一部となるでしょう。あなた方は私を鍛え、強くし、そして一生の思い出を与えてくれました。この15年間の私は皆さんが私に与えてくれたすべてを返すことのできるよう努力することだけでした。私はフットボールを引退するだけで、ニューオリンズを引退するわけではありません。これは別れではなく、新しい始まりです。これからが私の本当の人生の始まりです。

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